ダイオキシンはなぜ危険なのか?
WHO(世界保健機構)は1997年にダイオキシンを「発ガンの可能性あり」から「発ガン性物質」に格上げしました。WHOの「発ガン性」は専門家会議によって多数決で決められます。「発ガン性物質」に格上げされた決議のときは11対9でした。かなりぎりぎりです。
ダイオキシンには急性毒性はありません。大量に浴びたからといって、その人がそれが原因で死んでしまうこということは、たぶんありません。だからといって安全ではないのです。
ダイオキシンで怖いのは生物濃縮です。ダイオキシンが地球上でもっとも猛毒な物質といわれる理由はここにあります。
生物濃縮のわかりやすい例としては、貝殻です。貝は水に溶けているカルシウムを集めて殻をつくります。海水に溶けているカルシウムはほんの少しですが、貝は、そのほんの少しのカルシウムを集めて丈夫な殻をつくることができる。
ダイオキシンは水の溶けない物質だから・・・水に溶けない物質は体内に入ると排出されることなく溜まっていきます。つまり生物濃縮されるのです。毒を無毒化するのは肝臓ですが、ダイオキシンは肝臓で分解されないことはすでにわかっています。
ニジマスの場合のダイオキシン生物濃縮係数は6600倍。水に1混ざっていた場合、それが藻類→動物性プランクトン→小魚→ニジマスと食物連鎖される結果、かなり高濃度な汚染になってしまう。DDTに対する生物濃縮係数は208倍なので、ダイオキシンは濃縮係数が大きさがわかります。
ベトナム戦争の時に、使用された枯葉剤。その枯葉剤に不純物として少し混ざっていた物質がナパーム弾で燃えてダイオキシンがつくりだされた。ダイオキシンは体内ホルモンを撹乱する物質です。ベトナムで多くの奇形児が生まれた事件はまだ、記憶に残っているでしょうか?子孫を残す生殖機能に障害を与え、さらに、母乳を汚染する。
ドイツなどヨーロッパの国では母乳が汚染されるということにショックを受けて、塩ビの製造を禁止する方向になったのですが、日本では母乳なんて一生飲むものではないので、心配ない、その程度なら安全としてしまったのです。この取り組みの違い。感覚の違いが自体を深刻にしている。日本人の母乳は平均して、WTOがこれ以上は危険という値のさらに26倍の濃度で汚染されている。新聞やテレビなどでもけっこう報道されたが、この事態の深刻さをあまり理解していないみたいだ。
人間が、軽い気持ちで燃やした塩ビから、6600倍の「おかえし」を返される。これがダイオキシン問題の怖い一面です。そしてもうひとつ怖い一面は、直接、帰ってこないこと。回りまわって、想像もつかないところから帰ってくること。
日本はまだ塩ビを製造禁止にしていません。ヨーロッパからやって来たS君はホームセンターで売られている塩ビのパイプをみつけ、「日本人はクレージーだ」とつぶやいていました。
ちなみにコープ自然派は、とりあつかっているすべての商品から塩ビを取り除きました。売らないこと、そして買わないことが、廃止への第一歩と考えています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なかむぅ