徳島県には県の怠慢により「産業廃棄物処理法」がまだ施行されていない所がある。
徳島県で一番ひどいところ。たぶん今、日本でいちばんひどいところが鳴門にある。そこは県立公園内なのだが、どんどん山が削られている。さらに地域住民の水源地なのだが、産業廃棄物がどんどん捨てられている。規模はひょっとしたら香川の豊島を超えるかもしれない。
22日(日)午後より、関口鉄夫氏(地学博士で長野大学の非常勤講師、長野県廃棄物問題研究会会長)と住民有志、鳴門市の環境整備課の人ともに現地調査をしました。
鳴門のすでに閉鎖されている残土処分場に、閉鎖されているにもかかわらず、何者かによって汚泥のようなものが運び込まれている。 遠くからでもその姿が確認できる。なぜ汚泥だとわかるのか?水分が多くベタベタしたものなので、だんごのように丸く並べて、ある程度、乾燥させてから埋め立てようとしている。量もかなり多いので、運んできたダンプもかなりの台数と推測される。閉鎖されているところに持ち込まれていること自体違法行為だが、持ち込まれている汚泥も「管理型産業廃棄物」で捨てる場所がきびしく定められなければならないもの。
この閉鎖された残土処理場は法面(斜面)の傾斜が法律で決められた1:1.5になっていない。人工の構造物が自然にかえっていく「谷化現象」がおきている。一番下のコンクリート製の水堤が壊れたら、処分場全体が土石流になって崩れ落ちる心配がある。すでに処分場の斜面が水によって動いていて、前にふくれている。山が動いて水堤を押し壊そうとしている。法面に、砂が噴出した後(パイピング現象)があり、内部が空洞化している可能性もある。かなり危険な状態になっている。
処分場の一番上。植林された木が成長せず、立ち枯れしているものもある。地面はでこぼこで、あきらかな不等沈下が確認できる。ここに埋まっているものが、建設残土ではなく、他の何かであることを物語っている。木が育たないのは、なんらかのガスが出ているからかもしれない。不等沈下の原因は、地中に埋まっているものが雨水によってゆっくり溶け出しているからかもしれない。
関口先生いわく、長野県には、今、建設残土という廃棄物はほとんどないらしい。建設残土とは土に他の廃棄物を混ぜ込んだものがほとんどで、廃棄物を土ときちんとわけると、建設現場から出る土は埋め戻したりするので、ほとんどでないらしい。長野県より人口も経済規模も小さい徳島県が長野県の何十倍もの建設残土を排出するとは考えられない。
すぐとなりには「二匹目のドジョウ」がいる。無法地帯は無法者を呼ぶ。ここは現在も創業されている処分場。そこでは構造基準違反の焼却炉が稼働している。もちろん集塵装置などついていない。そこには法で決めれている事務所施設がない。「マニフェスト」の管理はいったいどこで行われているのだろう。もちろん開発許可を得た図面とおりに開発されていない。昨年つくった法面がすでに崩壊している。崩れたものを拾い上げて積むわけではない。新たに山を削って埋め合わせるだけ。削られている山は県立公園である。崩れた土砂は谷を埋めていっている。下流には砂防ダムもあるが、大雨のとき、本当に砂防ダムがその力を発揮しようとしても、すでに埋まっているので使いものにならない。下流の川原の高さが上昇している。大雨のとき、オーバーフローして洪水を引き起こすだろう。

左の黄色いのが地山。右の黒いのが産業廃棄物。地肌の方は層をなしていて密度が高いのがわかる。産業廃棄物の方は、石、砂いろいろな大きなのものが混ざっていて、隙間も多い。プラスチック系のものも混ざっていて、これがしみこんできた雨水によって、ゆっくり溶けて、すきまとなり、さらに水の道をつくり、砂が抜けて、空洞が大きくなり、そこに大量の水が入ると山が崩れるのである。建設残土がほんとうに残土だけなら、もっと安定した斜面になるのだろうが、実際には、プラスチック系のもの、木材、コンクリートがら、アスファルトのかけら、乾電池があったのがちょっとショックだった。
雨水を排水するための管からは温風が出ている。地下で何かが発酵している。わずかに匂いもある。何か有機物質が埋まっていることがわかる。発酵時間が早い。埋めてすぐにはじまっている。木材などではないのだろう。

埋め立てられているのは、残土ではなく、あきらかに汚泥。川の底をさらってきたような泥。業者はれんこん畑の土だというが、仮にそうだとしても、汚泥は汚泥。管理型の処分場でしか処分してはならない。この事実だけで、この処分場は操業停止にできるかもしれない。しかし、県が何も指導していないということの罪のほうが大きい気がする。業者はひとなつっこい田舎者。県の許可と指導のもと、昔からずっとこうやってきたんだよという。だだをこねるような姿は子どものようであり。法で規制されていることなど何も知らないのではないだろうか?

木の生えた地山と処理場の境界がはっきりしていない。処分場なのか、不等投棄なのか、その境界もあいまいになっている。業者はたぶん、この山の頂上部分を数年のうちに全部崩してしまうだろう。
処分場の中にシカの足跡をみつけた。まだ自然が残っているうちに、どうにかしたいと思った。今ならまだ、引きかえせる。でも、来年はもう無理かもしれない。自体は緊急性を要する。
地山の表土層は10センチもない。自然はひとの顔にたとえられる。ほほのように指でついても、大丈夫なところもある。ところが目のように、一突きでだめになってしまうところもある。表土の薄い。急な斜面。砂岩質でやせている。ここは本来、開発してはいけない場所なのだろう。おもえば、ここは県立公園内。環境立県をめざして生活環境条例を定めた県に、なぜこんな事態が放置されたままにされているのか?
この処分場内には、四国電力の高圧線の鉄塔があり、この処分場の業者は、香川県の豊島の不法投棄業者のように、鉄塔の周辺をぎりぎりまで掘って、鉄塔を引き倒すぞと、電力業者をゆすっている。お金にする手口が伝播している。